寄らば大樹の・・・どこか2

その日その日感じたことを書いていくみたいな。たまに変なこと書くときもあると思いますが馬鹿だなと思ってスルーして下さい。

需要があるから転売という言葉がある

新入社員にキモがられようとするのはまた今度にしてあるニュースを。なんだか限定の人形を売ろうとしたら1人の客に全部買い占められたとか。その人形12万もして、その100体を全て買い取ったわけだ、1人の客に。

そんなに買ってどーするんだ。昔だったら買った客に対して「お前はアラブの石油王か」という突っ込みがでてくるだろうが時代の流れだろう。転売目的であることは一目瞭然。

何のことかは、3月31日に京都の高島屋にてボークス社発売の中原淳一氏デザインの衣装に身をまとったスーパードルフィー(ボークス商品の人形名)が限定100体124200円発売された。本来は先着順に並んでた人に整理券を貰って2体まで購入とされていたのだが、発売開始に並んでいた順50人分の整理券をある1人の男がまとめて回収して人形購入に並んだ50人含めて自分が買うとしてきた。要するに人形を買うために並んでいた最初の50人まとめて人形買うから。??? 50人分の人形をあんた1人で買うつもり? それって何? そもそもなんでお前ひとりが50人の購入を代行する必要あるの? ってもし全部買うとしたら税込み12420000円なんですけど・・・本当にそんな金あんの?

転売であると。欲しくて買ったわけではなくて金が欲しかったから買ったわけです。50人の仲間たちとともに転売です。仲間を使って出来るだけ多く購入して売りさばくためには人は多く必要になりそれが50人だったわけ。何ともゲスいやり方だろうか。最初疑問に思うのは仲間たち50人で並んでいたのならば50人が金を持って一人一人買えばいいのに1人の男に購入をまとめさせた点である。50人分の代金を1人がまとめて払うから怪しがられるわけである。その答えだが、50人は今回の転売目的のために駆り出された雇われただけで転売仲間ではない。人形購入金を雇われ人に最初から渡してしまえば列に並んでいる途中から金だけをちょろまかして逃げてしまわれないように金は持たせず整理券だけ持たせた。整理券は今回の仕事の給料の引換券でもある。整理券50人分を確認できたとき、50人すべてに並んでくれたお礼にお金を渡した。

明らかに大掛かりな転売行為だったと言える。こんなことするのはまず中国人でしょう。その手口からして、なんだかせどり共は顔負けした感じです。そこまでして金稼ぎかよ。私もこういうのはよくしっている。コミケでの企業限定グッズの転売とか、コンサートチケットの転売とかニンテンドウスイッチのヤフオク転売とか。もうそんなのは聞き飽きたが今回のスーパードルフィーの転売行為にはこの私でも驚かされた。新年度間もなく、私は職場でこのことを話したのだが、「スーパードルフィン? イルカ?」と勝手に聞き間違えられて、なんて私はこれ程発音悪いんだと凹んだものだ。

今回の転売行為は店の責任だとか聞かれました。確かに並ばせておいて1人2体までと整理券配って並ばせといて1人に全部買わせるような行為は店員が「てめぇ1人2体だろ! 何勝手に100体買おうとしてるんだよ!! 2体買ったらてめえはとっと帰れ!!」でよかったはずです。こんな1人にすべてを買わせるのなんてコミケの大手でもまずやらないし、そんなことしては悪評が立つ。つまり高島屋は同人サークル以下なのです。商品ぜんぶ買占めとかは横山ノリぐらいで十分です(「横山典弘 ミスド」で検索)。けれども1人で全部人形買い占めて1200万円も何の躊躇もなく払う人間なんて私からしたら本職の方みたいで怖いです。明らかに普通の買い方ではないその人間。こんな奴に突っかかれば後でどんな嫌がらせを受けるかたまったもんではない。もし、この購入は無効ですと店員がいってきたらお礼参りがあると考えて、とにかく面倒になるから売り払ってしまい早く帰ってもらおうという心理は仕方がないかもしれません。

販売する会社も問題ではというのも聞かれました。でもボークスだろ(笑)。ボークスだもん、しょうがないじゃん。ボークスはやたら限定商品といって客に向けて「大幅に射幸心を煽る商売方法」は私みたいなドールをあまり知らなくてもよく知っています(自己矛盾?)。たくさん売れるんだからたくさん作ればいいのではというのはボークス側としては愚問なのでしょう。「たくさん作ったら限定の意味ないじゃん、せっかくの限定の人形の価値が落ちるじゃん、誰が再販するんだよ、再販したらプレ値にならないじゃん、何馬鹿なこと言っているんだ」。ン? プレ値? そうです、ボークスは自社の人形がプレ値で取引されていることに大変誇りに思っているフシがある気がしてならないのです。転売目的を黙認している気がしてならない。だから今回の転売騒動はとくに何とも思っていないでしょう。

転売について私は嫌っています。よくクソテンバイヤーといいます。しかし、そんなものは価値情緒説にすぎません。転売はマナー違反であり、ルール違反ではないと言えます。残念ながら転売を取り締まる法律は今の日本では未確定です。ていうか転売は罪になりません。ヤフオクアマゾンメルカリ本を「買う」ならブック○フというように個人からモノを売ることができる買い取ってくれる構造が社会にある以上、転売を取り締まるにはそれらのものを違法にして、なくさなければなりません。モノを買い取る際に店員が「お前これ転売目的だろ?」と客に言えますか? 転売という下心と純粋にいらなくなったものを売りたいという気持ちを果たして店員はいい当てられるでしょうか? 求められているサービスを悪用しているからといってそのサービスまでもが禁止せよとは包丁は人を殺すから販売するなという理屈と一緒になります。だから転売はやめろとは言えないのです。

たとえ転売だとしてもその商品を欲しい人がいるからには仕方ない部分もある。どんなにお金を払ってでも欲しいという気持ちに果たして悪いことだと言い切れるだろうか。うん、確かに正規の値段よりも高く売り出されているものを買うことは腹が立つけど承知の上です。私もプレ値でフィギュア買うからそういう気持ちもわかる。欲しい人にはどんなに倫理観が欠如している輩から買うにしてもそのモノが欲しいのです。この辺は個々の価値観の問題で議論は平行線でしょう。正規の値段以上の値段で買うことへの強欲さ浅ましさを非難するのであれば、金を多く積んで買うのは資本主義のはずです。資本主義、ひいてはお金というものを忌み嫌えばいいだけです。好きなものに金出して買うのは本人の自由です。その自由を奪おうとするのはお金を出せない貧乏人か社会主義者なのでしょうか?

正直私は中国の方ならばこの人形、買い占められてもいいと思います。日本の人形を中国の方がこれほどまでに欲してくれたのならば金儲けだろうと本望です。私は中国が好きだから中国の方に買ってもらって本当のところよかったです。これが小汚い日本人のおっさんとかだったらムカつきますが。今回の騒動となった人形を見ましたが白のノースリーブブラウスに紅色のフレアスカートと白のハイヒール。ああいうノスタルジックな洋装をした人形。どこか懐かしく温かみを感じさせ、あの頃の日本を思い出してしまうような気持がします。まるで昭和の息吹が吹き込んでくるようで、いまの社会の空気が息苦しく思えてくるならばこの人形。ドールは苦手な部類ですが、そんな息苦しい空気をなくしてくれる消臭剤として私も欲しかったかもしれません。