伝承と望郷の地 遠野は民俗学そのものだった!!
懐かしく思うのはかの番組、「藤岡弘、探検隊シリーズ」。あれを真のエンターティナーというんだね。明らかに安普請な岩が探検隊のほうへ転がってきて「危ない!」というシーンは腹抱えて笑った。あれが無くなった今、なんとかスペシャルは私の中では死んだ(オーバーか)。そんなプロレス?みたいなあの番組のタイトルを真似したような今回は私が図書館から借りてきてコミケのなんたらで読み返すことなくほったらかした「遠野物語」という本を紹介したくなった。
遠野物語の遠野とは岩手県の中央部に位置した山々に囲まれた盆地を舞台とし、日本民俗学の父と謳われる柳田国男がその山村の民俗文化を綴った日本民俗学という言葉そのものとまで言ってしまうほどの知られた書籍である。遠野には神、妖怪、家々の伝承が数多くあるその地方の伝承の豊かさに、遠野という地を日本の楽土としてしまうほどの願望とその文化の憧れを抱いた柳田国男氏のあふれ出すような感受性。私も読んでみるとそれに刺激されて実にロマンチックなのである。
私が感じるのは民俗学という内容にはどことなく伝わりにくいという印象を受けます。それは故郷という民俗的世界の縮小と今の文明社会に解放された新たな生活スタイルが、どこか懐かしくもある昔ながらの生活を忘れさせているからではないでしょうか。しかし、民俗学に人々は学ぶすべを持たなければこの国の文化は急速に過去の物となり忘れかけてしまうのではないかと。それが自分が生まれた国の文化、伝統、自然を愛することの祖国愛を失うことにつながってしまうのではと勝手に心配するのです。私はそうした日本を愛する情緒を育(はぐく)むものこそが民俗学と捉えています。日本人は日本という地でどう育まれてきたのか。先人を育て上げた日本の過去の累積と歴史を考えてこそ民俗学とは現代社会で新たに生起するであろう真の日本人を育てる学問であると。
なんだか遠野物語について述べてないね。具体的にどんなことが書かれているのか、では是非読んで下さい。
遠野物語の描写から伝わってくる古の日本文化の情緒感には・・・日本の活力は物質主義の他にもこれがあるのではないかと考えることはナンセンスでしょうか? 郷土、日本文化を愛する心がなくても、今の日本人の心が現実にある「モノ」の様に満たされていれば満足なのでしょうか? そんなの、世の中が世知辛く写りだすようで私は嫌ですけど・・・。
私が図書館で借りてきた↓
- 作者: 柳田国男
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1992/07
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 8回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
遠野の世界を目で見るならカラーが最適↓
- 作者: 石井正己,浦田穂一
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2000/08/01
- メディア: 単行本
- クリック: 4回
- この商品を含むブログ (8件) を見る