寄らば大樹の・・・どこか2

その日その日感じたことを書いていくみたいな。たまに変なこと書くときもあると思いますが馬鹿だなと思ってスルーして下さい。

ベルリオーズの音楽とハンガリー行進曲

たまには音楽について。フランスの作曲家と言ったら誰を思い浮かべる? と問いかけられたら私は即答、ポール・モーリアベルリオーズ。ポールモーリアはイージーリスニングの大家でありそのことについてはまたにでも。
ベルリオーズとはなんだか名前が格好いい気がします。近代フランスの管弦楽法(管弦楽法とは微妙なリズムと色彩的な楽器の組合せによる効果と、大きな楽器編成による表現のダイナミックな幅をいう)と結びつければベルリオーズ。聴いてみて下さい。管弦楽法の熟達とロマン的イメージの壮大さは1800年半ばのドイツ・ロマン派と比肩する。フランスの音楽たるものの底力を世界中に見せつけた至宝であり、そこには彼の表現、感覚、音色等はあとに出現する印象主義を予告していたわけで、まさに近代管弦楽の開拓者と呼べるべきです。
ベルリオーズ音楽の最大の特徴はうーん、ストーリー性のある音楽以外の芸術的学問をそこにくわえてしまう目新しさだと思います。思えば、楽器で奏でる音楽は何を表現しているかは聴き手が想像するようなものです。しかし、ベルリオーズの作品「幻想交響曲」は作曲者自身による解説を読むと何を音楽で表現しているかわかるというもの。このようにストーリーなどを事前に用意し音楽に物語性を育む器楽曲を「標題(プログラム)音楽と呼びます。実はこれ、あのベートーヴェンもおこなっていた。あの「田園交響曲」が見せたような自然の繊細な描写を行うことは標題音楽と言えると思います。そしてベルリオーズ交響曲ベートーヴェンから多大な影響を受けていると。ちなみにこの幻想交響曲が作曲された1830年ベートーヴェン没後の3年にあたる。おそらく、ベルリオーズのこの曲はベートーヴェン管弦楽曲の衝撃体験からベートーヴェンの第2因子としてあとを継ぐような交響曲を作曲したとあればベルリオーズベートーヴェンの傾倒ぶりは氏の音楽の縮図といえるだろう。
要するにベルリオーズベートーヴェンの影響を受けた、19世紀のロマン派標題音楽創始者だろうということ。幻想交響曲ベルリオーズの恋の感情をいくつかの思い出を通してつづり、かなわぬ恋に絶望しアヘンに溺れ、作用によって生じた奇怪な幻想として説明されている。なんだか異常性格的なストーリです。だからこそベルリオーズの多感で病的な夢想と身をこがす情熱の持ち主であるが故の作品なので、奇想天外な管弦楽用法が用いられている(たとえば第4楽章「断頭台への行進」題名からして・・・。ティンパニの6連符→クラリネット→ギロチンを思わせる全オーケストラの咆哮)。いろいろと聴いてみるとよいかも。
どーれ、ではタイトルにある「ハンガリー行進曲」についてですが、ハンガリーと題のつく曲ではブラームスの「ハンガリー舞曲集」やリスト「ハンガリー狂詩曲」が思いつきますが、私はハンガリーといったらベルリオーズのほうなのです。ハンガリー行進曲とは、幻想交響曲と並ぶ名作「ファウストの劫罰」に含まれた曲で、ファウストの劫罰ゲーテの戯曲「ファウスト」第1部に影響を受けて作曲されています。ちなみにファウストとは中世の悪魔と契約を結んだ悪魔召喚のスペシャリストですが、悪魔に魂を売ったとあって血なまぐさい要素が多く、ゲーテの戯曲でもメフィストフェレスという大悪魔と契約していたが最後にはこの悪魔に殺されて地獄に落ちてしまう・・・のです。
さて、ファウストの劫罰は4部からなりそれが20景として分かれます。ハンガリー行進曲は第1部の3景で、情熱に燃えて行進する兵士を表し、ここでファウストが登場しているがどうやらそれを見ていても心は沸き立たないというベルリオーズ標題音楽ハンガリーは東欧。東欧の音楽とは民族的色彩を色濃くするものであり、東欧は歌や踊りに関して独特の文化をもっています。その独特の音階と踊りのリズムをおもいおこさせるブラームスハンガリー舞曲集がヒットしたのもエキゾチックな旋律の魅力の表れでしょう。ハンガリー行進曲にも当然そんな東欧の魅力があり、短調の覚えやすいテーマが東欧の空気を明快にアピール。ベルリオーズハンガリーの平原に魅せられた様子でしょうか、それが演奏から伝わってくると思います。コーダでは鐘のたたみかける演奏からが圧巻(個々の演奏によりあったり無かったりするので注意?)。最後はハンガリーの凛とした自然の空気を出し尽くしているかのようでスメタナボヘミアの森と草原」を彷彿させます。私はこの曲を聴くと旋律表現は「兵士の行進かな?」と「あれっ」とか思っていますが、なんだか多彩な異国趣味的音楽だなぁとこの曲に対する感想。それからやがて19世紀の民族主義に向かっていくその先駆けになるんだなぁと、私の好きなナショナリズムと音楽の融合へとこの曲を通してそんな思いを持っていきたくなるのですが。聴いてみては↓(ちなみにラコッツィ行進曲とはハンガリー行進曲のことなので)





この動画では最後のたたみかける鐘の音色が楽しめません(?)こちらのCDに収録されているほうを薦めたいのですが・・・まぁ。

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