寄らば大樹の・・・どこか2

その日その日感じたことを書いていくみたいな。たまに変なこと書くときもあると思いますが馬鹿だなと思ってスルーして下さい。

懲役太郎氏の動画を見て

懲役太郎というユーチューバーをよく見る。この方は元893でムショオツトメも経験している。そうした自身が893だった頃やムショヅトメのエピソードをガワを使って語るという893系ユーチューバー。正直凄い。こんな893の身の上話や刑務所暮らしの実態を赤裸々に語れるなんて、んなもん普通なら生活して聞くこともないし誰がそんなこと知ってて話せるんだよと。そもそも893がそんなことカタギに話したりしないだろ。YouTubeがニコニコに負ける理由はこれだ。この多様性だよ。元893が自分の893だった頃のことを語る。求める者を自ら探し出して見つけるのである。やくざを語れるユーチューバーなんていないから、いないならそんなことを語れるのならばそのコンテンツは自分の独占だろう。周りにないものを自分から発信するこうした行いがワールドワイドに繰り広げているのが今のYouTubeである。過去の遺産だけを頼りにいつまでも既存のオタクコンテンツに縋りつき形を変えているだけの最初にできたコンテンツを焼き回してるだけのニコニコもその辺見習ったらどうだろうか。今までにない新しいコンテンツを作り出さなきゃ(偉そうだが)。

懲役太郎氏の動画に山口組若頭宅見勝について語られていた。自分は厨二真っ盛りの頃はやくざとかそういうのが好きで極道の妻とか見ていたし級友にやくざの真似してドン引きされた。そんな多感な年ごろに好きだったのが宅見勝というやくざだった。何がそんなに好きだったのか今思うと意味不明だが、たしかスーツ姿とインテリジェンスなようで鋭いメガネの顔つきなんかが好きだった思う。あとは名前が何となく惹かれた。やくざって犯罪で儲けているというイメージだが、宅見勝は商売で、というかやくざなりのビジネスを駆使して、要は実業家みたいなことで力をつけてきたその出世の仕方も従来のヤクザとは違って新鮮。懲役太郎氏も動画でその辺りのことを今までにないことだと感心していた。懲役氏の動画ではそんな宅見勝の人生を語っている。それまではなんだ自分でもナックルズで読んでたりするから目新しさはないなと、でも改めて聞いてみると面白いし喋りもうまい。

宅見勝はまた別の意味でも名が知られている。1997年神戸のホテルで山口組同系列のやくざに射殺された。その時のメディアの報道が大きくて社会的関心事にもなっている(一般人も巻き添えで亡くなっているため)。射殺したのは中野会と言われているし射殺した理由とは、それが射殺した中野会の組長が手下にただ殺して来いと命令されただけで何で殺すのかは手下にもその理由を語っていなかったという。当の命令した中野会の組長はその頃すでに死んでいるので真相はわかっていないと。一説では・・・これは懲役氏の動画かWikipediaでも見よう。あー前置きが長すぎるんだよ。この長文になる癖何とかなんないの?

最後の動画辺りで懲役氏が山口組分裂後の宅見勝なき宅見組の動きに大変驚いたという。山口組6代目体制下いわゆる名古屋体制にかつての山口組組長輩出先である山健組が反発して新たに結成した神戸山口組に宅見組が付き従ったのである。これが懲役氏が不思議に思えて仕方がなかったという。それというのも宅見勝を殺した中野会の元組員が山健組に多数組み込まれた。つまり宅見組の仇が山健組にいる。その自分とこの親分殺したやつらがいっぱいる組に何で宅見組は仲よくしましょうねと付き従ったんだと。宅見組は今の山口組とは縁が深く重要な役職を任されていた。別に険悪だったわけでもないしむしろ信頼されていただろう。それなのに今までの恩のある組を捨て仇がいる組に入り込む。まるで意味不明で亡き宅見勝も何を思うのだろうかと懲役氏は疑問を呈していた。ここで私なりの考え方を。宅見組が山健組についた理由は至極単純なのではないか???

山口組6代目体制は名古屋が基盤となっている弘道会で組長も若頭も弘道会のつまり名古屋の人間。今まで山口組は近畿の神戸の人間のものだった。それを味噌くさい(大変失礼な言い方だが)昭和のヤクザ史でそれまで目立たなかったであろう名古屋ぶぜいがデカい顔されるのがたまらなく嫌だった。宅見組は大阪の組である。大阪が神戸と名古屋どちらを選ぶ? 近くのある神戸だろ? つまり山口組の発祥は神戸であり神戸に拠点がある山健組が本流であるというその地縁を重んじ憎らしい奴だけど名古屋みたいな奴にトップ据えられるよりは山健組についたほうがマシとなんかやくざの地域愛みたいなのがあったから宅見組が山健組についたのでは? 甲子園でも決勝で兵庫の学校と愛知の学校になった時大阪の人はどちらを応援すると思う? そんな感じでついただけなんじゃね? わからないよ、わからないよ。ただやくざって単純なんじゃね? 過去の遺恨も昨日の敵は今日の友。今まで同郷で争っていたものが他所から来たものにおいしいところを奪われた。その時敵だった者同士が手を組むなんてよくありそうなことじゃん。いくら組長を殺されてもそれは昔の話で今は代も変わっている。そもそも仇の中野会なんてとっくに潰れているし山健組にいる中野会の人間はもう山健組の組員で中野会の組員ではないのだからいまだに恨むというのもお門違いだろう。そこまで物分かりがよすぎるのはもしかしたらやくざの世界では道に反することなのか? 最後まで筋を通せという思いが懲役氏にはあるから疑問に思ったのかな? うーん。

それに宅見組が弘道会についたら地理学的に山健組に真っ先に攻撃されるじゃん、近畿のヤクザどもが神戸山口組に大方ついてるんだから大阪のいくらデカい組の宅見組でも名古屋のヤクザと組んでも周り敵だらけじゃん? 組む相手を選ばないと自ら死地に陥る。三十六計の遠交近攻じゃないけど周りの勢力とは仲よくして孤立しちゃダメなんだよ。宅見組はほんとうは弘道会と合流したかったけど近くにいる山健組がおっかないからしゃあなくついただけなんじゃない? その証拠に神戸山口組が弱体化したら6代目体制のほうに組員が出戻りしてるらしいから。

あとは上納金が高すぎでそれに近畿の山口組系どもがブー垂れてたところに6代目が出所したらまた上納金が高くなっていい加減キレたとか。6代目がムショにいた時は我慢できたけど出て来たから「あいつまじうぜーあいつの顔見なくて清々したのにまたあいつの顔見るのまじうぜー」という近畿山口組系共の同調圧力的ノリで分裂したとか?w 親分に逆らうなとかの誓いを立てても所詮ヤクザで義理も人情も忘れている今のやくざだったら十分あり得そうなことだと思う。

・・・何でこいつと組んだなんていうやくざ事情はホントどーでもいいことだけど私みたいな裏社会的なものに多少興味あるほうからしたら、懲役氏はなんで宅見組は山健組と組んだのかとしきりに不思議がるから、だったら自分の思っていることを述べるんじゃないかと思ったら、不思議だ不思議だしか言わないからちょっと気になった。別に憶測とかで語ってもいいんじゃない? 話題が話題なだけに慎重になっているのかな? 影響力もあるから適当なこと言えないのかもしれないが。懲役氏にはもう少し自分の意見を言ってもらいたかった。それでも氏の動画はとても面白い。とてもじゃないが聞けそうにもないことを話すもんだから面白い。誰もが知らないことを知りたがる自分。そんな知的好奇心を駆り立てる動画だからこれからも見ていきたい動画である。