寄らば大樹の・・・どこか2

その日その日感じたことを書いていくみたいな。たまに変なこと書くときもあると思いますが馬鹿だなと思ってスルーして下さい。

青磁

上野の杜で陶器市が開催されていた。それもたくさんの、全国からの名ただたる陶器が集められた大きな開催だった。陶器のほかにも漆器や工芸品、絵画や郷土の乾物とか食べ物とか幅広いジャンルが集まっていた。そのたくさんの陶器の数に驚かされた。伊万里の皿が素敵だった。赤と金と青との色合いが鮮やか且つ絢爛な風情。欲しくなる。そう思ったのもつかの間、あるものを目にして驚いた。

青磁が置いてある」

まず説明すると青磁とは釉薬を焼いたときの化学反応で青緑色となる磁器であり、その由来は中国を起源とする。透明感のある青緑色は古来中国での宮廷においてのみ使用される秘色とし門外不出で民間に出回ることはなかった。はっきり言うと私は青磁が大好き。青磁、その色は薄い緑の落ち着いた色合い、なんだか高貴な焼物だなと思うし、青磁に惹かれるのはなんといってもその青磁色そのものである。こればかりは具体的に何がいいのかよりも私の美意識的本能が好きと言うのだから相手には説明しづらい。

あるところに置いてあったその青磁は香炉であり、高麗青磁であった。こんなものははっきり言ってなかなか店頭では目にしない。というか、こんなこと言っては失礼だがありふれた大衆的な雰囲気の陶器市で売っているほうがおかしいと言える。青磁とは至宝であり至高であると我思う故これを買った。青磁の、しかも高麗青磁なんて私は欲しいに決まっている。では、何を買ったのか。韓国の陶芸家である柳海剛(本名柳根瀅)の青磁香炉。ちなみに柳海剛は高麗青磁復興に尽力した巨匠である。

 

 

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 人間文化財と言う大変な栄誉を持ち様々な展示会でその名をとどろかせた。その巨匠の作品を手に入れたわけだが。

 

 

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左 香炉の全体

真ん中 海剛のサイン

右 箱のサインと落款

 

 

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左 支柱となる兔は同じ作品の中では目が大きくて脚爪もよく描かれているが…

真ん中 桐箱と一緒に入っていた海剛の年表。上が漢文とハングルで下が日本語で記されている

右 海剛親子。模様を入れている若い人物は海剛の子で二世海剛柳光烈。このパンフレットも一緒に入ってあった

 

 

偽物じゃねーの? と頭がよぎった。こんなすごいものが普通に売られているとは。骨董品は贋作との戦いと言われるくらいその真贋の判断が難しい。私もそれほど詳しくないからわからないことだらけ。海剛のサインはネットで見比べてみると…なんだか失礼ながら小学生の字みたいだな。付属してた年表の紙二枚は鑑定書替わり? 箱の刻印は筆跡がネットで掲載されているものと見比べても間違いはないと感じる。要するにこれはどうでしょうか? 買った自分が言うのもおかしいが本物? どう思う? ちなみにいくらで買ったのかは・・・内緒だ( ´,_ゝ`) それよりもこの色見てごらん、これこそが青磁。この色が私は大好きです。

高麗青磁とはその名の通り高麗の時代に作り上げられたのだが、高麗の国が滅びてからはその高麗青磁の製法も廃れていつしか忘れられてしまい李氏朝鮮の時代は姿を消してしまう。そんな高麗青磁の復興を成しえようとしたのが先に語り、そして買った初代海剛こと柳根瀅である。そんなすごい人物の作品を私は持っている。これは自慢してもいいんじゃないかな? 人間何かそういうものを一つくらい持っていてもいいんじゃないの? と、言うことであなた方も陶器に興味を持てよと。