寄らば大樹の・・・どこか2

その日その日感じたことを書いていくみたいな。たまに変なこと書くときもあると思いますが馬鹿だなと思ってスルーして下さい。

ガルパンを好きになれないでどうする

茨城県民(取手市生まれ)で元アニオタとか言うのならば、いくら興味がなくなったアニメでも自分とこの、しかも魅力度最下位の県が舞台のアニメが大人気なんだからありがたがって拝まないといけないのに、何で今までスルーしてきたのか自分でもわかりかねる。以下ガールズ&パンツァーというアニメは私にとってピンとこないものであった。それどころか、茨城県民なのに納豆が大嫌いである事実が如く、

あまりこのアニメに良い印象を抱けなかった。理由は、

・戦車という戦争の道具を愛玩萌えアニメに加えたことえの嫌悪感。
・それに付随して戦争で命を奪う負のイメージを楽観的かつ愛嬌あるものに塗り替えた戦争という重たいイメージを茶化す、冒涜さ。
・戦争を舐めてる。死人がでで当たり前なのに作中では登場人物が死なないといった、リアリズム、死生観の欠如のからくる欺瞞さ。戦車を操るならば死して物語が成り立ち深みが増すはず。
・血なまぐさい戦史を学んできたつもりのこちらにとっては、血が流れないのはたとえアニメと言えども、綺麗なことだけしか見せようとしない、または学ばせようとしないその社会主義ユートピア史観、空想的ファンタジーには肌に合わず、やはり戦車を使った戦いならば死生観を用いるべき。しかしそれがない。
・そういう競技として戦車を用いるのだから、戦争しろというわけではない。上記に示した事柄は道筋から外れて、現実と架空の区別を定かにしていない浅はかさを指摘される所以だが、やはり「戦争ごっこ」が気に入らない。せめて人が死ぬのであれば面白いアニメと言えた。
・主要登場人物に取手市出身者がいない
・心理描写が薄っぺらい。
・意外とご都合主義で「あっ」と思える展開が欲しかった。

反対に良かったところ

・秋山殿が可愛い。ああいう髪型はすごくタイプであり、目が優しげで惹かれる。
・ストーリが王道で分かりやすく、感性を受けやすいがため、印象に残る。
・戦車の動き方や戦車の細部がよく描かれている(結構戦車とか好きだから見ていてわかった)
・絵柄は可愛い。私好み。
・おっとりしているようで、いざとなると展開が熱くなるスポ根が緩急のメリハリが効いていて視聴にダレない。それゆえ、安定してストーリー破綻がない。
・カチューシャが可愛い。
・大洗の街並みが忠実に再現されていることに対する製作者側の本気度が伝わってくる。
茨城県大洗を舞台にしているので茨城出身者から見た親近感。
・雪の進軍、Катюшаという私が好きな楽曲を挿入曲として用いられている点。特にКатюшаを歌うキャラはすごく素敵である。

良かったところを挙げたのは良い印象を抱かなかったことへの弁護に過ぎない。やはり私は艦これのように戦争に関連した事柄を扱う際にはどうしても神経質、潔癖になってしまいます。私は実際戦争で戦ったわけでもないので、戦争を軽んじることをするなというのは余りにも説得力に欠けるので、感情、態度で言明を表明する価値情緒説を使うしかないし、そうした感情が正しいかどうかなど何も言うことができない。しかしそんな道徳的潔癖さと言えるものは、価値観は個人に相対的であり、どの価値観を正しいとするかは定かではないとする価値相対主義の実質倫理として存在する。「戦争を舐めるな」という潔癖なまでの態度とは1つの道徳的立場を唱えているにすぎず、価値が主観化した今日において、これまた価値観のよしあしなのである。つまり感情で語るのもその人個人の価値観であると捉えるものであり、それが正しいも正しくないも議論しても仕方がないわけで絶対主義を取るのならば私の意見は間違いかもしれないが、価値観を相対的に見るならば私の意見は正しくもあり、また間違いでもある。メタ理論とは何事においても俯瞰してみていかなければいけないのであり、倫理学を基調として弁解したつもりだが。

私はある作品を好きになったら真っ先に嫌いだという意見を聞くようにしている。自分では好きであるという態度を取っているが、嫌いというのであれば、何が嫌いなのだろうと気になり始めるからだ。また東方を例に挙げるが、私は東方を好きになっているが、東方が嫌いな理由を聞くとその嫌いだという価値観が私の好きだという価値観と照らし合わすことができてなかなか面白い。たとえ誰からも愛されている作品でもその客観的な価値がなければ多数の支持者が誤っているかもしれないという考慮が指摘される。そのために正反対の価値観も大切になる。そしてそれを「寛容」な態度で迎え入れなければいけない。どっちが正しいか論じるのでなく、どっちも正しい言い分であると寛容さを発揮するのは今の社会では余りにも理想的すぎることが悔やまれると常日頃思う。

私も・・・だから燕石博物誌以外にもガルパン劇場版DVDを買えばよかったと思う。ふぎゅあなんて買うべきではなかった。あの劇場版は見たことないから、買ってみておけば、今の考えとはだいぶ変わっていただろうに。何せ興行収益がアニメとしては破格だから、よほど面白いのだろう。私は実に損なことをした。