寄らば大樹の・・・どこか2

その日その日感じたことを書いていくみたいな。たまに変なこと書くときもあると思いますが馬鹿だなと思ってスルーして下さい。

私のおすすめだったり

ちょっと懐かしくなって読み返してる歴史小説があるのだが・・・
吉川英治氏といえばいわずもがな、歴史が好きであるなら氏の作品は是非読んでおきたい。

平の将門 (吉川英治歴史時代文庫)

平の将門 (吉川英治歴史時代文庫)


平将門は歴史的に見ればとても有名な人物なわけだが、その将門の名は承平・天慶の乱で明るみに出る。平将門は乱の指導者として朝廷に矛を向け、天皇に対抗し新皇を自称するなど、そのようすは逆賊として扱われたりもする。反乱を起こしたからには逆賊であるというのは私もそうだろうと思っていた。ただし、吉川氏の小説を読む前では。
しかし、この小説を読むなり、私のイメージとは違った将門像が描かれていた。将門を朝廷に反旗を翻した逆賊の人ではなく、純粋な一個の人間が周囲の身勝手な思惑で担ぎ上げられていく。将門の叔父が自分を憎み、戦を仕掛けてくるのが理解できず、たた、相手が戦を仕掛けてくるから自分が戦う。まるで将門がお人好しであり、悪く言えば愚かさがあったりとあの逆賊としての将門はここにはいなかった。むしろ、叔父の国香や従兄弟の貞盛の悪役ぶりのほうが逆賊として描かれているのではないか。平将門の純粋、素朴な人間としての描かれ方に、それまでのイメージからギャプだろうか、驚きました。それが私のこの吉川氏の作品に対する一番の感想です。吉川氏の将門の描き方には、何かが違う将門が存在してるのがこの作品の最大の特徴であると思います。ただ一つ気になったのが、読点が多すぎて文章はリズムが悪く読みにくかった点がある。だが、それを差し引いてもこの作品を読んでみると、なんだ心地よい風に浴びてるような新鮮な気分でした。
ちなみに茨城県板東市から将門煎餅という煎餅が発信されてます。近くにお越しになられた方、将門が駆け抜けたであろう板東の地で煎餅をボリボリ食べながら余韻に浸ろう。