寄らば大樹の・・・どこか2

その日その日感じたことを書いていくみたいな。たまに変なこと書くときもあると思いますが馬鹿だなと思ってスルーして下さい。

だが、しかし・・・ではなく、「だがしかし」

「だが、しかし・・・」。いかにも私が文章書くときに考えそうな言い回しだと。最初はこの漫画のタイトルの意味がわからなかった。何やら、教訓じみたストーリーなのかなと思ったら・・・。

だがしかし

駄菓子菓子

「食い物漫画かよ」と気づくのに適当に言うならば30秒かかった。作者のネーミングセンスはなかなか優れているかと。何のことか説明が遅れた。「だがしかし」は少年サンデーの漫画で駄菓子屋が舞台となり、駄菓子屋を継ぎたくない主人公に対して、駄菓子オタのお菓子会社の社長令嬢が駄菓子の素晴らしさをギャグありきで紹介していき、主人公に駄菓子屋を継がせようとするコメディ作品かつ、グルメ漫画である。

私がガキの頃(1989-1996年)、駄菓子は思い出深い趣向品の一つであった。母に買ってきて貰った駄菓子はその日の一日の中で、楽しみであり、嫌なことがあっても駄菓子を食べたらすっかり忘れてしまう。消防の頃は学校の帰り道、今にも壊れそうで小汚い駄菓子屋に、これまた蜘蛛の巣が張ってあり、レトロであるという肯定文よりも保健所に言ってもいいくらいの埃がかかった汚いハナクソみたいな駄菓子を梅干しみたいなすっぱい顔した婆ァに80、100円渡して買ってくる。そうして、友人たちと食べる駄菓子というのはなぜだかとても美味く、それでいて、駄菓子は友人と仲良くできるアイテムでもあった。我が青春の思い出として今なお色あせることがない。そんなハナクソ駄菓子を今のガキ共は知っているだろうか。確かに今でも駄菓子はスーパーにおいてある。でも、駄菓子屋という古き時代を感じさせるアーキテクチャに存在した駄菓子と比べたらスーパーの駄菓子は趣がない。駄菓子とは「これ、食ったら腹こわすんじゃね?」といえるほどの賞味期限なんてケンチャナヨな駄菓子屋だけにある駄菓子こそが本当の駄菓子であると謳う所存である。駄菓子屋の駄菓子とは不気味で美味いのかどうかわからない。でも、そこが、私の少年好奇心をかき立てる。食っみなきゃわからない。そんな味に対してミステリアスなところも、また魅力。それで、食ってみたら美味いんだもん。あんな怪しげな食材が美味いなんて、もはやオカルトだな。

そんな私にとって思い出深い駄菓子を取り扱った漫画なので、そりゃ興味引かれますわ。そして、この漫画のヒロイン「枝垂ほたる」のキャラデザに衝撃を受ける。なにせ、「これぞ我が望んでいた」。私は三白眼で寄り目がちなキャラが好きです。それ以外の目をしたキャラには飽き飽きしていました。例を挙げるなら「がっこうぐらし!」、「うまるちゃん」のような目の描かれ方は確かに可愛いのですが、その可愛さがハナにつくのです。アレはブリっ子と同じで、目の奥をよく凝らして見てみると実に嘘くさい。そして何より真面目すぎてつまらないのです。あまりにも定型化されすぎて面白味がない。三白眼みたいな人相悪い不真面目さ、そして眼光の鋭さ、危険な魅力、そして何より、三白眼に秘めてある精神面の奥深さ、つまり、闇の深さを伺い知る象徴的な記号にもなっている。三白眼というのは、私の感性が強く揺さぶられるのです。それこそが「その眼に偽りを感じさせないから」。

「私がモテないのはお前らが悪い」のもこっちや「旦那が何を言ってるかわからない件」の十カオルみたいなキャラが、だから好きでした。しかし、枝垂ほたるの三白眼にはこれまで以上の魅力を覚えた。目をみて好きになったキャラなんて、今までで、もこっち以来の出来事。要するに一目惚れでした。あの三白眼には吸い込まれるものがある。そして、妖艶だ。三白眼にはキリっとしたキツい印象を受け、色っぽさなんてないものだと思った。だが、ほたるというキャラは三白眼という目つきの悪さを越えた萌え以上の妖艶を感じらずにはいられない。

気に入った。実に気に入った。あの目が気に入った。

おっぱいのでかさはどうでもいい。童貞を殺す服(pixiv百科に詳しく記述)もなかなかいい。そういえば、絵柄が何となく、どこかの東方同人作家に似ている。アリス・マーガトロイド古明地さとりを合わせたような雰囲気がある。まあ、それは別にいいとして、目つきが悪いのにどうして可愛く見えるのだろうか。こんなキャラ、今までいない。同人誌的な荒削りさが若干気になる程度でも、絵はシャープで私好み。絵がうまいというか、構図がしっかり描けている。難しい人体のポーズもなんら違和感なく描ききっているところが凄い。それ故、キャラの魅力に弾みがかかっている。

だが、しかし・・・あれほどヒロインをベタ褒めしてるくせに言うのも何なんだが、はっきり言って漫画の中身自体つまらないものでした。駄菓子の知識を紹介するのはマニアックで見るべきものかもしれません。しかしその紹介の仕方がつまらない。これはもうどうしようもない。ギャグもあまりにもありきたりであり、話を膨らませていく想像力が欠如している。これが致命的。ただ単に駄菓子をボケかましながら紹介して終わり。一話読み切って「あ、そう」と感じて終わるもの寂しさ。いかんせん、駄菓子をダシに話を盛り上げることへの難易度は相当難しいかもしれないけど、駄菓子を使ったアホな遊びやいたずら、食い物を粗末にするブラックユーモアみたいなのを期待したんだが、たぶん菓子会社に怒られるよな。構成力不足をシュールギャグで勢いつけて乗り切ろうとする安直さが私には稚拙に感じた。

私の少年時代には駄菓子が好きだった。そんな駄菓子とふれあってノスタルジーを感じさせる、その楽しさみたいなのを、そのまま形にしてしまったのが「だがしかし」なのだろう。それは目新しい思考だし、駄菓子というテーマを漫画にした発想は独創的だ。それなのに、物語性は感じられず、読み手が「ああ、懐かしい」と満足してしまうだけなら、二度と私は読み返さない。幼き時間の間に駄菓子を食べた、あの時代のノスタルジーに浸りたいというのなら私はこの漫画をすすめる。だがしかし、

正直、枝垂ほたるだけのキャラだけ漫画だったが、何度も言う。あの三白眼にはそうそう勝てるものではない。

マイ・フェバリット・キャラクター

それが枝垂ほたる